村松と他の誰かのコラボレーション企画「&」、第一弾は本店の作り手:楠が登場です
課題に反する工夫、それは・・・
前後面に合わせて4箇所という、この内ポケット。
楠
「普通」って言われたときに、プレーンな見た目を想像して、ステッチを表に
見せない顔にしようと思ったのが最初です。
そこで、せっかくなら革の存在感を出せるように本体口を内側に折り込むことに
なったんですが、始めに作ったサンプルはどうにも頼りなくて・・・
内側のポケットも小さく、革の端を縫い止めるわけでもなく、取っ手の金具だけで
留めてつける吊り下げポケットをつけていたんですが、それだと折り返した革の端が
物の出し入れの度にぺろぺろとめくれてしまいました。
自分が目指すふっくら感とは程遠かったんです。
ポケットのものを取り出すと・・・
村松
本体口部分を折り返しただけの状態だとスターレって革が柔らかいから
めくれ上がってきそうになってて、本人もそこが気になっていたみたいだった。
折り返した部分を縫っちゃえば簡単に解決するんだけど、外側にステッチが
出るのは嫌みたいだったから、口の周りに革の芯を縫いつけて、それを
折り返せば外側の見た目を変えずに、本体口の周りをしっかりさせることが
できるんじゃないかって提案してみたんだけど・・・
なんかあんまり納得してない感じ?の顔してたな~。
楠
ただ芯を入れるだけの縫いではもったいない。
何かにもなっていて、芯にもなっている構造、一石二鳥的なものが欲しい・・・
そこで、初期サンプルを使って考えていたとき、「芯になる革は、ポケットでもいいのかも」と。
頭で考えていた時は、ポケットの重さで落ちてしまうからダメだ・・・と思っていましたが、
師匠である村松さんから「頭だけで考えるより、やってみよう!」と言ってもらえて、実際に
形にしてみることができました。
吊り下げポケットが芯の役割も果たす・・・ぐるりと縫いこまれる仕様は、
副産物としてポケットを分割タイプで4箇所設けられることにつながりました。
村松
そういえば課題としては「工夫しない」普通のトートのはずだったんだけど・・・
完成したトートは一見シンプルなんだけど、ただ単になにもしてないわけではなく、内ポケットの
付け方等、ほど良くアイデアのきいた いい鞄になったと思う。
取っ手のつけ位置や長さ、本体のタテ・ヨコ比、サイズバランス等、楠の個性が十分に出ている
「かなり工夫しちゃった」フツウトートになったかな。
実に6サイズという多くのサイズを展開するのも珍しく、1ヶ月間の予定で販売するこのフツウトート。
いつもより、少しだけ、早くお届けできそうです。
(納期は3~4週間ほど。他のものをご注文いただいた場合は、お届け予定が長い方に準じます)
本店では全サイズの見本を揃えましたので、とっかえひっかえしながら
お好きなサイズと色をお選びいただいてお作りします。
試作段階で候補に上がった仕様やサイズのサンプルも現品で並びますので、
お気に入りが見つかったらラッキーですね。
※期間限定販売は終了しました
続く
編集と文:岡松