Vol.1 映画「ゼロの焦点」バッグ製作編
HERZ(ヘルツ)ではご注文を頂いた商品を自分達の手で一点一点作る受注生産での製作スタイルが基本ですが、時には映画やCMの中で使うバッグの製作依頼も舞い込んでくる事もあります。
東宝映画「ゼロの焦点」
監督:犬童 一心 原作:松本 清張
今年(2009年)は、松本清張生誕100周年で、それを記念した大々的なプロジェクトに参加させて頂きました。
衣装合わせの段階から、打ち合わせを重ねての製作で、スケジュール的にもかなりタイトでしたが、そこは面白事が大好きなヘルツの作り手たちですから、大いに楽しませてもらいました。そこで、実際に使われた鞄の製作風景をご紹介します。
(C)2009「ゼロの焦点」製作委員会
映画のイメージに合わせた鞄づくり
今回、HERZ(ヘルツ)は、ゼロの焦点製作サイドから依頼されたバッグ3本を作りました。
一つは、持ち込んでもらった鞄と同じものを新しく作るオーダー。
あとの2本は、HERZの定番モデルに若干仕様を変更した形で仕上げました。
(※いわゆるセミオーダーです。これは映画に限らず、出来る内容であれば、常に受付しています)。
1本目に依頼されたバッグ作りの担当は、ベテラン作り手のNEZです。
オリジナルの作りを確かめながら、細かく採寸をし、新しく型紙を起こして作る根気のいる作業です。
更に、ヘルツ定番の革(植物タンニンなめし)ではなかったので、まずオリジナルに似た革を探しました。
革が違うといつもヘルツで作っている工程とも若干違いが出てくるので、こういう製作が出来るのが、ベテラン作り手の強さです。
1本目に依頼されたバッグ。
ベテラン作り手のNEZ。
実際の製作風景をピックアップ
まずは型紙を起こします。
型紙に合わせて革を裁断します。
それぞれの箇所(パーツ)を縫います。
本体の背面部分です。
マチと本体を内縫いします。
内縫い後、鞄をひっくり返して形を整えます。
バッグの状態を確かめます。
本体ベルト縫いの工程です。
背面とマチの縫い準備です。
ほぼ完成です。
中の状態をチェックします。
完成品しました!!左:オリジナル 右:製作分。
いつもとは違った視点での鞄作りを楽しむ
今回、オリジナルの鞄よりも持ち手を少し長くしてほしいというリクエストもありましたので、持ち手は長くなっています。
このボストンバッグを使って頂いた役者は”広末 涼子”さんです。
映画のイメージに合わせたモノ作りは普段のヘルツの製作とはちょっと違った視点なので、楽しんで作ることが出来ました!!