キナリ×キャメルの鞄たち。作り手のモノローグ形式でそれぞれの言いたいことをお送りします。
二人目は初参戦、
木村です。
振り返る・・・
村松に誘われた時は「ついにきたか」と緊張と楽しいワクワクと責任とが混ざりながらも二つ返事でした。
簡単に自己紹介させていただきます。
私木村は2010年にヘルツに入社。それから8年間ポツポツと新作を出してきました。
中でも気に入っている鞄は流線型リュック(R-2)とビートルリュック(R-3)です。
博多で7年、東京で1年でこちらに来ての趣味はカレー屋巡りです。
三度の飯をカレーに変えてもいいぐらいのハマりぶりでたぶん前世がダルシムだったんじゃないかと思うほどです。
失礼しました、脱線しました。
今回のキャンバス企画は3回目。
通算2回行われた過去の商品を見て思ったのは、革鞄との作りの違い。
ヘルツでの構造のレパートリーが染み付いているので革鞄は「このぐらいのシルエット」で「この作りで」と指定されたらなんとなく作れてしまうが、キャンバス商品ではそうはいきません。
そうなんです革での常識がキャンバスにはまったく通用しません。
端の処理をいかにうまくするか。
通常のキャンバスメーカーさんの鞄と大きく違うのはヘルツ代名詞である太い糸と分厚い革、そして何よりロックミシンをあえて使わないロックな作り。
このロックな作りという制約の中での物作りはある種、今までのキャリアが無に返されたというか何年も前に味わったあの初々しい気持ち、挑戦者の気持ちとでもいいますか。
参加したものの、果たして鞄は出来上がるのか?
まず何を作るか。キャンバスの魅力をどう表現したらより優れた商品が作れるか。
どう組み合わせたら自分が納得できる商品が作れるか。
とにかく過去のキャンバス商品の観察から始めました。
トート、リュック、箱──キャンバス企画に参加して改めて思いましたが過去の商品の猛者たるや。
どれもヘルツの無骨さとキャンバスの魅力をうまく合わせて更にキャンバスならではの処理もこなしての物作り。
リバイバル販売がないのが残念ですが定番商品ではないからこそできるアグレッシブな過去商品群。
参加するからにはこれらに並ぶ物作りでなくてはならない。
・・・
ラックスリュック。それはヘルツでも特に人気の商品。
企画の発起人、村松が作った人気鞄。
この鞄とキャンバスを合わせてみる。
鞄の顔は私好みに迫力と機能を兼ね備えた錠前に変更し、しっかりとしたハンドルに変えました。
人気鞄をキャンバスで作る──これはある種、禁じ手だとも思いましたが私の中の「優れた鞄」はこうだと思い、つくりました。
キャンバスの処理は単純なもので「ただただシンプルに折り返した四角」、それを革に乗せる作りとなっています。
これによりキャンバスの軽さと革の強度を併せ持つハイブリッドな鞄となりました。
キナリも好きですが、黒/ダークグリーンの組み合わせの配色が仮面ライダーRXみたいで気に入ってます。
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