こんにちは、HERZオンラインショップの松下です。
長い梅雨がなかなか明けず、スッキリしない日々が続いていますね。
工房を覗くといつも気さくに笑いかけてくれる作り手たちに元気を貰う今日この頃です。
ということで、今日はそんな渋谷にあるNET工房ならではの制作風景をご紹介します。
メッセンジャーバッグ(W-3)
HERZ創業者:近藤オリジナルモデルのメッセンジャーバッグ(W-3)。
「分厚い革で、最強のやつを作る」をテーマに、極厚のタンドーレザーで仕上げた、ヘルツならではの武骨で頑丈な革鞄の一つです。
実はこの創業者モデル、今は渋谷にあるNET工房だけで作られている製品なんですよ~。
ヘルツは全国に6つの工房兼店舗がありますが、ご注文いただいた創業者モデルは全てここ渋谷で作られています。ヘルツ豆知識の一つですね。
そんなちょっとレアなメッセンジャーバッグの制作風景を全国の皆様にご紹介すべく、注目ポイントを写真に収めました。
厚い革紐で縁取ったかぶせ
特徴的なかぶせは、極太の固い革紐と厚い革を丁寧に縫い合わせて作られています。
とにかく革紐が厚くて固い、そして細いので、縫うのは至難の業。
撮影時に間近で見ていて思わず「おお、、凄い、、」と言葉が漏れてしまいました。
大胆さと繊細さが必要な、創業者モデルならではの製作工程の一つです。
かぶせの留め具は、一つ一つ切り出したワイルドな鹿角。
ちょうど作り手が鹿角を削っている所を見せてくれました。
削っている時は少し独特な、、、正直に言うと、結構強烈な匂いがします。(笑)
それはもう鹿の角を削るなんて、見た目も香りもワイルドになるのも納得です。
ちなみに、削る作業の時だけですよ~。これまで検品時や店頭でも全く気にしていなかったので、制作時ならではの新しい発見でした。
実際に鞄を着用する際も全然気にならないので、どうぞご安心を。
力作業の「ひっくり返し」
縫い目が内側になるように、縫い終わった鞄を裏返す作業を「ひっくり返し」と呼んでいます。
内縫で仕上げる鞄は必ずこの作業を行います。
ヘルツの革は比較的厚みのある革が多く、ひっくり返す作業はとても大変な工程の一つなのですが、
特にこのメッセンジャーバッグは、極厚のタンドーレザーを使用しているため、より一層大変なことに。夏場は汗だくになりながら作業をする作り手もいるほどなんですよ~。
ひっくり返し終わった作り手が「ふう、、」と一言。
遠くから制作風景を見ているだけでも、鞄の力強さが伝わってきます。
遊び心と革心が満載!
ワイルドに集約されたメッセンジャーバッグは、その時にあった最良の革を使い、豪快に仕上げます。
後面のポケット一つとっても、切り出した形や表情が一つ一つ異なり、全てが個性のある一点モノ。
タンドーレザーならではの深いシワやトラをそのまま生かした、豊かな表情が魅力です。
ストラップと取っ手を引っかけるための丸カンの根革は、負荷がかかるためどうしても破損しやすい箇所なのですが、こちらは鞄では通常使われない太いボルトで留められています。
実はこのネジ、本来は建築資材として使われている金具なんだとか。
「とにかく頑丈で、丈夫な鞄を作りたい!」という、自由で独創的な熱意が伝わってきます。
創業者モデルには、特別なハンマー入りの刻印が取り付けられています。
このハンマーのデザイン、レトロなプレミア感があって個人的にとても好きです。
他の定番品にこのタグを付けることはお受けしていないので、限定アイテムとも言えるかもしれません。
創業者モデルの魅力
ちなみに以前のブログで、実際にご愛用頂いているお客様にお話を伺った際のご紹介もございます。
良かったらこちらも併せてお読み頂けましたら幸いです。
→ ブログ:これがなくちゃ始まらない
その他にも、創業者:近藤オリジナルモデルの鞄は、ボンサック(W-1)という鞄もお作りしています。
こちらのボンサックのご紹介は、またの機会に。
いかがでしたでしょうか。サクッと軽めにご紹介するつもりが、思わず熱く語ってしまいました。
創業者モデルの鞄は、Organを除くヘルツ全店舗にてお取り扱いしています。
ご来店の際は是非、お手に取って実物をご覧いただけましたら幸いです。