ボーナストラック! ヌバック&スエード編<目指すところ>

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2016年の村松を囲む活動は、遊び(どちらかというとゆとりの方です)を視野に入れて。

HERZの真骨頂:ベジタブルタンニンなめしの我らがラティーゴとスターレから

少し軸を外した素材に挑戦してみる企画も盛り込んでいこうと思います。

 

 

前回の通り、楠はヌバックで作る意味を確認するために、同じ形をスターレでも作ってみたのでした。

 

 

どうだった?

どうだった?

 

 

語る楠

やってる途中で気がついたんですけど…
これ(帯)、このポーチの大きさにしてはスターレだと大袈裟だな…
帯のコバ(端)を磨いてるときに「なんでこれ付けるんだっけ?」って感覚に。

ヌバックの時は薄くて柔らかいので、ファスナーの口まわりが弱い気がしていて
帯は機能的にも、自分が納得できるヘルツらしさのポイントとしてもいいバランス
だったんですけど…

ヌバックの時

 

 

それって

そのヘルツらしさって見た目だけじゃなくて、素材の特徴を考えて素直に
作るってことでもあるんじゃない?余計なものを省き、必要な物だけを足す。

もし最初からスターレで作り始めてたら、この形にはなってないんじゃないかな。
今回のポーチのポイントは、この帯だったんだね。

この帯

 

 

スターレと帯

そうですね。
ヌバックだからできることは薄マチではなく、柔らかすぎるというデメリットを
補おうとして考えたこの「帯」だったんだとスターレで作ってみて気がつきました。

形・線・機能が良くても、素材とのバランスがあっていなければ違和感のあるものに
なってしまうんですね。

 

 

一方、村松は自分の作ったポーチを改めて振り返りました。

ポーチを振り返る。

今回のヌバックは、革屋さんでたくさんの革サンプルの中から選んできたんだけど、
この時は本当に純粋に感覚で選んじゃってたね。

表情、質感、色、においとか、単純にこの革欲しいって。
そういう衝動的な思いがないと作ることにつながらないと思ってて。

かけらを

仕入れてきた革を広げて、さて、何を作ろうかな、って考えてね。
やっぱりこの革が主役!この革を触って欲しいって思ってポーチにしようかなと。
身の回りのモノを入れて、鞄を変えてもこのポーチは常に持って歩く。

最初は革だけで袋を作りたいって思ったんだけど、便宜上ファスナーをつけました。
本当は引き手もつけたくなかったんだけど便宜上つけました。

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なるべく革だけを見てほしいからステッチも見えないように。
ここだけちょっと工夫してみたんだ。革が主役だからね。
それ以外をなるべくひかえめにしたくて。

ポーチのサイズって人それぞれだよなーって以前から思ってたから
10サイズ用意してみることにしました。革を気に入ってくれた人が
自分が欲しいサイズを選べるように。

DSC_1128

このネイビーとマスタードの色の組み合わせも好きなのよ。

 

 

ポーチ大集合

素材の特徴を考えて、いい部分を際立たせようとした僕と、
デメリットを補いながら、それにあった形を考えた楠で、それぞれ素材を
活かすってことを別の方向から目指してたのかも。

 

 

そっちのポーチ

「ちょっと寄り道」っていうつもりで気軽にスタートした企画だったんだけど、
思いの外いろんなことを深く真剣に考えるいい機会になりました。
普段使っている革とは違う素材に触れることで新しい発見がある、その素材だからこそ
思いつくアイデアってあるんです。
そうやって創作の幅を広げること、その経験値がまた普段の鞄作りに活きてくるはずだと
思っています。

 

こっちのポーチ

今回、直感的・感覚的に「かわいい」と思えるものが割とすんなりできたほうです。
それは無意識的ではありましたが、「なぜ、それを作ったのか」「なぜ、その形なのか」…
たくさんの「なぜ」を作り終わってから考えるいいきっかけになりました。

「なぜ」に答えることは自分と向き合うことであり、デザインの一番大切な部分なのだ
と思います。「自分の欲しいものを作る」を目指している私には、とても勉強になる
大切な一歩になりました。

 

DSC_1969

お互いの考えの違いに驚きながら、これからも制作は続きます。

 

本店では楠が思案したポーチたちも各種新たに加えて、コーナーが充実する模様です。

編集:岡松

 

 

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