HERZの革製品は、良くも悪くも癖があります。革のキズやシワも同じ商品でかなり個体差があります。また、作り手の手によって一点一点仕上げているので、クラフトならではの製品の特徴もあります。そういった意味も含めて、一点モノであることをご理解いた上で、当工房の革製品をご愛用頂ければ嬉しく思います。
天然革の持つ豊かな表情
血筋やバラキズ
表面加工を抑えて、自然の表現を生かした仕上げをしています。革の表面(銀面)、裏面(床面)に関わらず、血筋や バラキズといった自然の跡が入ります。少し深めのバラキズがあった場合も表面の革質が良かったり、通常使用する上で負荷のかかりにくい位置を選んで裁断しています。使い込み、時を経るごとに色に深みと艶が増し、キズやシワも使う人ならではの味となり、カバンの一部となっていきます。
トラと呼ばれる縞模様
首や肩の周りや背中など、革に元々あるシワが寄りやすい部位に筋状の縞模様が入ります。これを「トラ」と呼びますが、製品によっては、大きく トラが入る場合もあります。「トラ」は、亀裂が入って いる訳ではありませんので、他の箇所と較べ強度面は劣りません。
シミや色ムラ
人の肌と同じように革にも元々ついているシミやムラ があります。商品によっては、ポツポツしたシミやムラ が入ることがあります。表面の染料も薄化粧で仕上げていますので、革の表面に色ムラ等が出る場合もあります。
革独特のにおいがあります
環境に優しい手法で作られた植物タンニンなめしの革を使用しています。植物由来のタンニンでなめされた革は、革独特のにおいがあります。お使い頂く中で、多少やわらいでいきますが、完全に消えるということはありません。
色落ち・色移りがあります
革本来の表情をお楽しみ頂くために、色止め等の表面加工を最小限に抑えています。衣服とのこすれや水ぬれ等により、他の物に色移りしますのでご注意下さい。
※薄色の衣服での使用には特にご注意下さい。
※色移りは革の表面、裏面ともに起きます。
※衣服が濡れている時は特に色移りしやすいです。
色味の違い(同一色の本体部)
革の染色も、職人が手作業で行なっているため、同じ革色でもその時々で色味に違いが生じます。
※全ての革色で色味や風合いに違いが出ます。
※同じ革色を複数点ご注文頂いたとしても、色味が変わる事があります。
※ご注文時に革の色味はご指定出来ません。
色味の違い(同一色のパーツ部)
一つの製品を作るにあたり、同じ革色でも厚みや質の異なる革パーツを使用していますので、色味や風合いの違いが生じます。
※写真はキャメルですが、他の革色においても、色味や風合いの違いはあります。
革の裏(床面)
HERZの製品は裏地をつけていないので、一枚革の裏面(床面)をそのまま使っています。普通は顔料を塗って、革特有のシミや模様を隠しますが、あえて隠さずにそのまま使用しています。商品によって個体差はありますが、シミや色ムラ等の模様もあります。
革の毛羽立ち
一枚革で仕上げているため、床面の繊維が立ち上がる現象(毛羽立ち)が生じます。
使い続けていく中で擦れてカスが落ちたり、衣服につくことがあります。
また、繊細な繊維の衣服を着用の場合、摩擦でお洋服が傷んでしまうことがございますので、十分お気をつけ下さい。
革の大きさを表すデシ数の刻印
一枚の革につき一箇所のみ。革の表面(銀面)もしくは裏面(床面)に仕上がった革の面積を示すデシ数が刻印されています。一部商品には刻印が入っている場合があります(刻印有無の選択は出来ません)。
※デシ数の刻印は、その都度、字体や色も変わります。
商品の革質変更はしておりません
各商品に使用している革は、その商品に適したものでお作りしています。
そのため、厚い革(ハードレザー)で作っている商品を柔らかい革(ソフトレザー)に変更するといった革質変更は受付しておりません。
同様にOrgan製品で使用している革をHERZ製品に使う内容(その逆)も受付しておりません。
長く愛用して頂くために
HERZ製品には内張りがありません
長く使い続けてもらうために、修理をすることも念頭に入れた製品作りを心掛けています。長い間、鞄を使い続けていくと、どうしても耐久性の弱い内張りから痛んできてしまうからです。
均一に揃ったステッチではありません
厚い革と太い糸で作るHERZの革製品は、機械のように均一に揃ったステッチではなく、少し曲がっていたり、ピッチが異なることがあります。HERZの大きなステッチは、耐久性を求める上で、針穴をひとつでも減らすという、丈夫さを第一に考えた結果のステッチです。
コバ面の磨き具合もそれぞれ
鞄本体やフタ、ストラップ縁などのコバ面も作り手が手作業で磨きを入れています。それは機械的な直線ではなく、磨きの入り具合も個々で大きく異なります。縁からはみ出すようなダイナミックな磨きが入ることもあります。
経年変化による変形があります
一枚革で仕上げている為、厚みのあるハードレザーのバッグでもお使い頂くうちに革が柔らかくなり形が変わっていきます。使用状況によって、それぞれの癖が鞄に現れますので、それがHERZの鞄を楽しむ一つの醍醐味でもあります。
定期的なオイルメンテナンス
革は乾燥すると、ひび割れや破れといった現象に繋がります。定期的なオイル塗布で大事な鞄は長持ちしてくれます。尚、一部製品ではオイル塗布の必要がない製品もあります。詳細は下記のページをご覧ください。
お手入れ方法について詳しく見る
修理をしながら長く使う
鞄に使用しているパーツ(特に金具類)はお使い頂く中で、どうしても消耗していきますので、定期的に交換が必要です。製品の修理は常時受付しています。
修理について詳しく見る
差し込み金具の開閉方法
開ける時はベルトの下に指を通して金具を押し上げます。閉める時は写真のように、金具の脇をつまみながら差し込むと閉めやすいです。金具を差し込んだ状態で無理に引っ張ると、破損につながりますので、ご注意ください。
3wayストラップ(KO-300)について
3種類の革パーツを組み替えてリュック用にもショルダー用にもなるストラップセットです。
リュック:両側に金具がついた短いパーツ2本+片側に金具(ナスカン)がついたパーツ2本。
ショルダー:両側に金具がついた短いパーツ2本+金具なしの一番長いパーツ1本。
3wayバッグ用ストラップ(KO-300)商品ページへ
錠前の開閉方法
錠前には大きく分けて2種類あり、鍵穴のみのタイプはそれ自体を、つまみが別についているタイプはつまみを下に向かって押すとベルトが外れます。
※お届け時は鍵をかけておりません。開ける前に鍵を回してしまった場合は、再度戻して下さい。
ドイツホックの開閉方法
<開ける時>でっぱっているつまみを台座から引き離すよう軽く押さえて引っ張ります。
<閉める時>つまみ本体ではなく、つまみがついた台座の方を押します。
金具のエイジング
一部使用している真鍮金具は革と同様、より無垢 に近い状態に仕上げています。そのため表面の変化が早く、すぐに色がくすみ、アンティークな雰囲気に様変わります。お届けしたばかりの金具も錆のようなくすみが見られますが、金具自体に問題ございません。
両開きのファスナー
両開きのファスナーの構造上、順目・逆目が存在しており、片側(逆目)に多少の引っ掛かりを感じることがあります。両開きファスナーの特性となりますので、あらかじめご理解下さい。
アタリ
革の重なり合う部分や金具と接触する部分は、使い始めから若干のアタリが出ていることがあります。
異なる素材について
一部製品の盤面や内ポケットなどには本体革とは異なる素材(樹脂版やライニングなど)を使用している製品もあります。
使用機材や製作工程で生じる商品の特性
ミシン跡
製作工程上、革の表・裏面問わず、縫っている箇所にはミシン機材の跡がつくことがあります。
内縫いの針穴
内縫いの商品は、糸が出ていたり、針穴が若干拡がっているものがあります。HERZでは厚い革をなるべく 薄く漉かず、太い糸と針で縫うので、革を折り込んでいる部分から糸や針穴が見える場合があります。
ひっくり返しによるシワ
内縫いの商品は、縫製後に革を表面にひっくり返す 工程があります。その際、程度に差はありますが、革にシワが入ります。
ピン穴による窪み
一部商品においては、写真のように僅かな窪み(ピ ン穴)が表立つことがあります。
パイピングの継ぎ目
革のパイピングを入れて縫う製法(玉縫い)の商品は、鞄の表裏側ともにパイピングを継ぐ箇所で僅かな空きが生じます。
革質による形
一枚の革でも革質は均一ではありません。盤面で革質が異なると出来上がりも均一な形を保つことが難しい場合があります。
底面のつくり
底鋲を付けている鞄でもコバ面は地面に接地します。底鋲は地面から離す役割ではなく、鞄全体の型崩れを防ぐためとして取り付けています。構造的にもコバは最も丈夫であることと重量を面で支える形になっています。
革漉きによる色ムラ
革色を問わず、革繊維の密度が高い部位(=革の質が良い所)を漉いた際、裏面(床面)に色ムラが生じることがあります。色ムラにより強度が落ちるということはありません。
革鞄の豆知識やよくある質問に答えてみました