~突然読まれた方へ 話はここから遡ります~
「まず、何をつくるか」
ここでかなり悩みました。(期間的には一番長かったかもしれません)
今回の話を持っていくとき、わたしは一番に、仙台店スタッフの東京研修で近藤が
力説したエピソードを思い浮かべていました。
(((ある夏の暑い日)))
「ぼくね、ボストンバッグって好きなんだよね。というか、その鞄を持ってるときの、
雰囲気とか風景とか、情景とかが、ふわっと浮かぶ鞄。そんなのが良い鞄だと思うんだ。」
「荷物がいっぱい入った革鞄を手に提げて、トレンチコートでも着てさ、電車か、飛行機か、
船かを待ってる・・・なんか風情あるでしょ?そういう鞄が、印象に残るんじゃないかな。」
(ちなみに仙台店:店長清水も、ブログでご紹介した通りこのエピソードを覚えていまして、
2013年冬の企画品として“ CLASSIC BAG 仙台 Trip Bag”を制作したのでした。)
なるほど、ではそれ、つくっていただきましょう!!
、、、と簡単にお願いしたものの、遅々として進まない、新作。
あまり創作に関わっていない身としては分かりずらいということもあって、今考えると軽ーくお願いしにいった私に対し
再三、新代表野口が「並大抵のことじゃないんだから」と釘を刺すこともしばしばでした。
例のごとく気軽に「ボストンバッグいいじゃないですか!」とお勧めすると、当の近藤は「う~ん、そうなんだけど
いろいろあるんだよ」と濁るばかり。遂には、わたしの顔を見るたびに「あ、鞄ね」と焦ってしまう始末。
この数ヶ月、ずいぶん煮え切らない日々を過ごしたことでしょう。この場を借りて謝りたいと思います。
そんなこんなで出現を控えていたある日、内緒で近藤の作業台を覗きにいくと、、、
あれ、これはW品番でもない、なにやら取っ手らしきパーツ!!?!もしや!!
「おーこれ、そうだよ、鞄 鞄ってうるさいから作ってみることにしたんだよ~」
というわけで、ついに、ついに、近藤が動き出しました。
きっかけを掴んだらあとはハイスピード。既に頭の中にあるという設計図を前にどんどん形に仕上げていきます。
「型紙なんていらないくらい、昔はパーツのサイズとか全部覚えてたのにな、、、歳だな」
などなど、傍らで話をしながら、パーツを組み合わせていきました。
あとは「ポケットはどこがいいか、まず、あったほうがいいか」「女性でも持ち手を握った時にしっくりくるか」
「飛行機の機内に持ち込めるようなサイズ感で」などなど、使うときのことを考えて。
こうして完成したクアランタボストン。今回は、「性別、年齢を問わずに使ってほしい」という、近藤にしては珍しい(?)
コンセプトの基に作られたとあって、比較的控えめなデザインでコンパクトなフォルムに。
そして、40周年特別企画!ということでのおまけをつけて、特別セットと相成りましたのでございます。
P.S.
おかげさまでご好評いただいているこの40周年記念鞄セット(QT-1)、
お求めいただいたりご検討いただいたりしたみなさま、本当にありがとうございます。
ただ、申し訳ないことに、販売開始から2日でオンラインショップの予定数が完売。
この分だと直営店舗でも、この週末が山場なのではないかという予想です。
また、意外なデザインと思われた方もいらっしゃったのではないでしょうか。
がっつり「THE・近藤鞄!!!」を想像していたみなさん、なんだかすみません。
でも、このあとも、近藤の体力気力が許す限り、面白い事、ちょくちょくしていきます。
(先ずは限定鞄をお届けしてからですが)密かに創る意欲が湧いた様子ですので。
そして!もはやHERZは近藤だけではありません!!これからを牽引するさまざまな作り手たちが、
記念のイタリアンレザー「クアランタ」での新作をご用意する予定ですので、そちらも要チェックです!!!
公開までに完売してしまうかもしれませんが、「できるまでブログ」BOOK編、コットン外袋編も、
もしよければお付き合いください、、、
ONLINE SHOP担当 岡松
つづく