実は、鞄よりもちょっと先に進行していたブックを作ろう企画。
普段の何気ない会話や朝のお話(朝礼での習慣)で創業者:近藤が放つ、ともすると
誤解を生みそうなエッジの効いた言葉たち。
HERZの「いままで」が凝縮されたこの言葉や独自の理論をこの機会に集めて、
「これから」を作る個性的なメンバーのことを少し知ってもらえると
面白いかもしれない、、、という単純な興味から発動しました。
始めたきっかけから、鞄を作ること、日々思っていることについて、スタッフ
みんなの入社した時の様子やらいままで起きた楽しい事件や、厳しい時代について、、、
はたまた逆にこちらが日頃疑問に思っていることへの質疑応答などなど、近藤に
社内でインタビューする日々。
昔のアルバムや、雑誌掲載記事を捜索することもあって、さすが40年も鞄屋を
やっていると、いろんなエピソードが飛び出すわ脱線するわ。
また、「やっと引退するって実感湧いてきた」と本人も語る通り、日を追う毎に
いろいろなことが整頓された言葉になっていったように思います。
それを元に、エピソードや文章をどう構成していくか、影のリーダー:村松と
議論に議論を重ね、ありがたくもご縁あってコピーライターでアートディレクターの
西原さん、ブックデザインの福島さんにも多大にご協力いただき内容を詰めていきました。
写真素材は主に社内で撮りためていたものですが、中にはカメラマン
宇佐美さん(右)にお願いしたカットも。
オフショットのような本番ショット ↓
印刷~製本の段階になると、普段カタログを担当している作り手:納富も加わり、
みなさんのご厚意で糸綴じの現場、製本の現場を見学させていただくこともできました。
「本を作る」と決めたとき、最初に浮かんでいたのは無骨で丈夫な表紙、糸綴じの装丁。
上製本に使われる製本方法で、背を寒冷紗という下地の素材が見えるように
作っていただきました。
表紙は商品の品番や価格を記してある紙のタグと同じ銘柄。
(これにはスタッフでも気づいていないと思います)
ついには面白くなってきて、本文はもとより綴じ糸の色も見返しも吟味する始末。
素材はどうでもいいのかもしれませんが、手にしたひとがまず感じるのは、
見た目や質感、触感であることは鞄でも、食べ物でも、本でも一緒なのではないかと
いちゃもんをつけて、そんな一見 無駄な遊び心満載で何より楽しく素材を選んでしまいました。
こうして、たくさんの人の力をいただいて完成した記念ブック。
記念鞄セットの楽しみのひとつになれば幸いです。
岡松