既にみなさんご存知かと思いますが、実店舗には定番商品や企画商品だけでなく、作り手が自由に
試作したサンプル品も並んでいます。
ご紹介する間もなく売れてしまうものもあり、常に流動的なサンプル品たち。
今日は以前のブログにも登場し、その後体系的に試作が進んでいる村松のビジネスバッグを
ご紹介します。
このたび挑戦したのは、本体がソフトレザーのビジネスバッグ。
ソフトレザーは鞣す過程で革を揉む工程があり、それによって革の繊維がほぐれ、
柔らかさが表現される革。(タイコという大きな樽のような機械で、何時間も革を回転させる
手間のかかる作業が行われています)
そのため、HERZのソフトレザー「スターレ」は、スムーズな表面のまま鞣された
ハードレザー「ラティーゴ」よりもシボが多く、若干カジュアルに見えるという側面があります。
ビジネスバッグは、あらゆる鞄のなかでもきちんとしたイメージのアイテムですので、
どちらかというと表面がスムーズで堅牢なハードレザータイプがHERZの商品でも多いのが
現状ですが、柔らかくとも要所要所で形状が保たれるような補強を加えてフォルムを検討し、
ビジネスユースに耐えられる強度と雰囲気を作り出しました。
カジュアルを逆手にとって、スーツでないお仕事の方でも女性の方でも優しい印象になると思います。
いまのところ、特にこの2種類がオススメのようです。
一番最近できた
ソフト×ハードのコンビ
底面にハードレザーを使うのはよくあるんですが、これは鞄上部、取っ手を吊り上げる部分を
ハードレザーで補強する形で珍しいフォルムになりました。
片方だけですが、内側に吊り下げ式のポケットがついていて手持ちのみのデザイン。
使う方にはあまり関係ないかと思いますが、作りも他の鞄とは異なっている部分が多く、
作りがいがあるようです。
オールソフトレザー
内側に、ファスナー口を覆うように革パーツの補強をしてポケットを吊り下げてあるタイプ。
加えてストラップ付きの2wayです。
補強のおかげで、ファスナーの開閉がスムーズにできます。
外側の見た目としては「ソフトレザーのビジネス」を一番表現できているモデルです。
2タイプ共にどちらも底鋲、底板がついていて、底に近い方が柔らかいので収納に融通が効くのも
メリットのひとつだと思います。
続いて
ほぼ正方形タイプ
書類収納ありきのサイズになってくるビジネスバッグを、規格サイズとは違うタテ・ヨコのバランスで
製作したモデル。
取っ手の付け方などがクラシカルな上にひと手間あり、本店鈴木のお気に入りです。
また、サンプルの革で床面の仕上げが異なるため、現品のみのサンプルとして床面が表に
なっていることも特徴。
内ポケットは小ぶりです。
一番最初のプロトタイプ
簡潔、シンプルに!!
持ち手の引き上げ部分は荷重が分散されるよう、補強を入れてありますが、ポケットや底板がない分、
一番軽量です。個人的には、書類を入れた時の底面の落ちた感じがラフなところが好みです。
ざっくりと使える方、お待ちしております。
曲線を描く盤面ながら、全体としては一直線のファスナーやすっきりしたマチ、しっかりした取っ手に
シャープさも感じられる今回のビジネスバッグたち。
それぞれA4ファイルも収納できるサイズで作られています。
本店でのみの販売ですが、それぞれ現品をご用意していますので是非探してみてください。
岡松
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