今回の試作レポートは“ひとつづきの型紙をパタパタと折って縫う”
ミニマムシリーズの続編で、少し遅れて仕上がったこちらをご紹介します。
一見なんだか分からないフォルムですが、コインケースです。
外からの見た目通り、留めに金具を使っていません。
さらに最小限の縫製でこれまたシンプル仕様。
例のごとく細長ーい革パーツをたたんで形作った本体を半分に折り、ベロを
くり抜きに差し込めるようにしています。
作り手:村松が苦労したのもこの部分で、結局この形に行き着くまでに
5、6点試作を繰り返してはバランスを見て、、、というのを繰り返していました。
革小物は、もともとがミニマムであるが故に調整もより微細な部分にまで及びます。
また、一部を少し変えると大幅に変えなければいけない部分が出てきてしまうことも多いため、
ともすると鞄以上に仕上がりまで時間がかかることも。
そんな苦心の賜物を、自ら実演で説明してくれました。
「裏は、小銭をたくさん入れても留めに影響がないようにしてあります」
「さっと開けられて」
「ちょっと振ると」
「小銭が出てきます」
「そしてなんとお札が入るんです」
「僕はこれでランチに出かけます」
写真でお分かりの通り、かなり小ぶりな本体。
コインケースという特化した機能においては無駄のないサイズが命、ということで
特に手のひらに収まるような、、小銭を出すときも程よく手で包むことができて
取り出しやすい幅を追究しました。
もちろん、ポケットにはすっぽり入ります。
カードケース(KV-47-N)よりも小さいくらいです。
細長い本体をたわませて手前に傾けながら少し振ると、小銭がそぞろ一列で出てきます。
※下に位置する受け側は浅いので、傾け方・振り方には注意です。
上記の通りお札も入りますが、前回のお札入れとセットで持つのがとてもおすすめ。
2つ合わせてもこの薄さは魅力的ではないでしょうか。
というわけで、晴れて本店サンプルとして仲間入り、明日木曜日から販売します。
多種多様、使い勝手と好みに合わせて、他のコインケースと比べてみてください。
迷いどころです。
岡松
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