エピソード0 VOL.6ハードレザーとソフトレザーの2wayビジネスバッグ

 

定番商品よりも挑戦的なサンプル品。
そのときどんなことを考えて、何を体現したくて、作るまでに至ったのか。
既に仕上がった鞄を軸にして思い出してみようという、口数少ない村松による
いつの間にかモノローグ形式の試作レポートスピンオフ企画。

2way

第6弾、ハードレザーとソフトレザーの2wayビジネスバッグ

 

 

 

新しい鞄をつくる時、最初にイメージがあって、

それを実現させようとして試作が始まるんだけど、

その過程でいくつもいくつも問題が起こるわけです。

 

型紙

昔の型紙を引っ張り出してきました

昔の型紙

 

今回の場合は、本体にやわらかい革を使う予定だったので、

 

ファスナーの開閉がスムーズにいく為にはどうしたらいいか?

とか、やわらかい革に取っ手を付けるので、そこの補強をどうするか?

 

など その他諸々です。

 

 

プレーンな方

それらの問題を解決する為にいくつも試作品を作って

実際使えるかどうかを試していきます。

 

今回も数パターン作っていく中で、取っ手の補強の革を大きくしてみたり、

内側にひとまわり小さい革を貼ってみたり、

試作品

革を宛てたり

 

何かひとつの工程で、取っ手の補強とファスナー周りの補強を

同時に解決できないかなぁ、って考えてて

そこで上半分をまるまる2.7m/m厚の堅い革にしちゃおうって思いついた。

縫ったり

 

 

 

見た目は最初のイメージと変わってきそうだけど、全体のフォルムはむしろ

このアイデアの方がおもしろい。

 

できました

問題を解決することができたし、作りもより単純になった。

 

 

 

 

 

上と

上半分がかっちり、下半分がフニャっとしわが入る感じもすごく、いい。

DSC_9425

 

 

 

「フォルムは機能に基づく」

 

アッキーレ・カスティリオーニおじいさんの言葉なんだけど、

これも僕が鞄を作る上でのひとつの基準です。

 

 

装飾ではなく、機能に基づいた形を作る。

用途、使いやすさ、丈夫さ、

これらは新しい鞄を作るときに外せない大事な要素です。

 

ここをクリアした上で さらに+α

魅力的なものが出来れば、なお良い。

そこが一番難しい!

 

って前も同じこと言ってたっけ?

でもやっぱりそこなんです。

 

型紙振り返り

 

 

6回(+余談)でお送りしてきたエピソード0。

こちらに登場してきた鞄たちが、明日5月2日(土)より本店に並びます。

作り手の奮闘が詰まった鞄、ちょっと違う視点で見ていただけたら幸いです。

 

※サンプル品は現品販売のみです

編集と文:岡松

 

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