「僕が作ったA-2、今の村松くんならどう作る?」
※A-2:二本ベルト2wayショルダーバッグ
エピソード0シリーズから早1ヶ月、、、最終的にはモノローグ(独白)と化し、最早
“ちっとも口数少なくないじゃないか”という声もちらほらですが、これも熟考しているものを
表面化させようという努力の結果だと思うとご指摘も感無量です。
その、エピソード0と並行して進んでいたのが今回の企画。
冒頭の通り、40年前からこつこつと近藤が作ってきたクラシックライン(主にA品番)をベースに
今在籍している村松が新しい鞄を作ってみる、という試みです。
名付けて「A’(エーダッシュ)」品番。
村松
「僕がHERZにいるのは、近藤さんの鞄の作り・考え方が、僕のやりたいことと
ずれてないからだと思うんです。」
近藤
「それなら、、まさにそれを体現してる僕のA-2を、今の村松くんの感覚で作ってみてよ。
HERZに対して持ってるイメージを表現してみるというか。
“ずれてない”っていっても、きっと人間が違うから、違うものができるはずだよね!
なんかA-2を作業台の目の前に置いて、、、あ~でもない、こうでもないって試作して、
それぞれの人間が作ったものを見比べる、、、単純に面白そうじゃない?」
村松
「お・・・いいですね、やってみます!」
きっかけはこれだけ。
試作鞄を見てもらいにいったある日の、何気ないやりとりの流れそのままに
実に軽やかに村松が動き出しています。
二人とも明言こそしませんが、この根底にあるのは
失敗してもいいから、なんか面白いことやろうよ、という精神。
そして新しいものへの挑戦は、次に活かす糧になるなら失敗ではありません。
40年作り続けている大御所クラシックラインを改変するという
創業者ならではの発信で、HERZの面白味がひとつ増えることを願って。
というわけで、
①現存するA品番のキモだと思う1点だけを抽出してそれ以外は全部変える(くらいの勢い)
②それを、近藤は知らされないまま、気が向いたらたまに品番の思い出について語ってもらい
③できた鞄に対して答え合わせをする
ことにしました。
近藤と村松が綴る、鞄作りを軸にした不定期更新コンテンツ。
まずは二本ベルト2wayショルダーバッグ(A-2)⇒A’-2からスタートです。
編集と文:岡松