村松と他の誰かのコラボレーション企画「&」、第一弾は本店の作り手:楠が登場。
村松が最後に作った普通のトート、それが、こちら。
楠のフツウトートのデザインを、村松がアレンジしているトートです。
村松
アレンジというよりは、ただLサイズは前面、後面の2枚だと盤面が大きすぎて
製作効率も考えて、どうやって分割するか、そのひとつを提案してみようと
作ってみたんだけど・・・
この数ヶ月、ひたすらに課題に取り組む2人の姿をひと通り眺めていた身としては、
期せずしてこのトートが仕上がったことに、とても興味を持ちました。
今回は革の分割という問題をきっかけにして、また新たに少し仕様の違う鞄が
別の作り手からうまれるということ自体が、プロセスを共にしながら鞄作りをしている
現場だからこその、とても意味のあることのように思えたからです。
また、師匠である村松の、「良いもの」を素直に認められる懐の深さを
感じた機会でもありました。
自分のデザインやアイデアを追求できることはそれだけでもちろん大事ですが、
他の作り手が作るものを面白がれる、興味を持って一緒に考えられる──
たったひとりで作るより、お互いにいろんな話をぶつけられて、逆にアイデアが
湧いていたように思います。
そして、目の前のサンプル革に合った留めや縫い方、ストラップの太さ・・・
総合的にバランスを考えて、組み立てられた結果、サンプルであっても世に出て
十分活躍する鞄になっています。
vol.6でご紹介したものも含めて鞄5点、革と形との組み合わせの妙は、
きれいかどうか、キズがないかどうかだけではない魅力、1点モノならではの
良さと個体差を見つけてもらえるはずです。
こちらも9/1(火)より本店に並びますので、お楽しみに。
編集と文:岡松