思い出の一品 Vol.1 野口×大型ギャジット3wayリュック(A-21)

思い出の一品 Vol.1 野口×大型ギャジット3wayリュック(A-21)

こんにちは、HERZオンラインショップの松下です。

今年の春からメルマガにて不定期掲載していた、「今週の一品」コーナー。
ご好評につきバージョンアップし、「思い出の一品」として、ブログ掲載していくことになりました。

ブログへの掲載にあたって、メルマガでは書ききれなかった製品にまつわるエピソードや、日々制作に携わる作り手の目線を交えたストーリーなどを、写真付きでご紹介していこうと思っています。

メルマガの時と同様に、工房の様子を見て不定期でお送りいたしますので、どうぞのんびりお付き合いいただけたら嬉しいです。

 

書き手、松下の仕事風景

(はじめまして、松下といいます。普段はPCの前に座ってデスクワークをしていますが、たまにカメラを片手に工房内をうろついたりも。お問い合わせのメールをいただいたら、ご返信させて頂くかもしれません。不束者ですがよろしくお願いします!)

 

ということで、早速お送りします。
記念すべき第一弾は、、、

 

世界を旅する、大型ギャジット3wayリュック(A-21)

大型ギャジット3wayリュック

数あるヘルツ製品の中で、何を一番にご紹介しようかとても悩みましたが、ヘルツらしさが全て詰まっているこちらの製品、大型ギャジット3wayリュック(A-21)を選びました。

A-21の生みの親は、ヘルツ創業者の近藤。
ギャジットバッグ(カメラバッグ)を、小学生の子供が入るくらい大きくしてみたらどうなるんだろう、という近藤らしい無邪気な好奇心から、この3wayバッグが完成しました。

まるで映画に出てきそうな、昔のバックパッカーを思い浮かべるどこかクラシカルな佇まい。
こんな大きな鞄を背負って世界中を旅してみたい。そう思わせてくれるデザインです。

そんな大型ギャジット3wayリュック(A-21)について、とある作り手からお話を聞きました。

 

今回のスタッフ:社長兼作り手 野口

スタッフ野口の制作風景その1

今回お話してくれたのは、ヘルツの社長兼作り手、野口。
普段は本店にて革の裁断(カット)を担当しています。趣味はクライミング。

 

スタッフ野口の制作風景その2

カットの作業風景。大きな一枚の革から、パーツごとに革を切り取る。
傷やトラ、血筋、染みなど、革が元々持っている様々な個性を活かしつつ、無駄のないように使い切る、見た目以上に大変な仕事です。

 

カットする前の一枚革

「革って実はそんなに綺麗じゃないし、傷も染みもたくさんあるんだよ。いつかそういうのを紹介するブログやろうよ。」

これは、先日工房内の写真を撮っていた私に、何気なく話しかけてくれた野口の言葉。普段はあまり多くを語らない人ですが、内に秘めている想いやこだわりには熱いものが。

今回の企画にあたり事前に配布したアンケートでも革の表情について触れており、
「傷は本物の証。」と、静かな、でも確固たる想いが伝わります。

ちなみに、自らが認める人見知り。インタビュー中なかなかカメラ目線をもらえず、少し気恥ずかしそうに話す姿が印象的です。

 

思いを語る

A-21と野口その1

松下
「A-21を趣味のクライミングに持って行きたいという情報をゲットしたのですが、何だか思い入れが深そうですね。よかったらその辺りを詳しく教えてもらえますか?」

野口
「これってどこまで正直に話しちゃっていいの?大丈夫?(笑)」

松下
「全然大丈夫です!むしろ今回はそういう企画なのでお願いします!」

野口
「あのね、今よりもHERZがもっともっと小さい時、僕が一人でお店に立って販売をしていた事があって。当時なかなか鞄が売れなくて、たくさん在庫を抱えてしまった時があったんです。その時、一番金額が大きいA-21が目に止まって、これどうにかして売りたいなあ、て思ったのが最初のきっかけ。」

松下
「金額の大きさ!正直ですね。」

野口
「それで、僕が実際にA-21を使ってみてもいいですか、ってことになって。スキーとか、結構いろんな所に持って行ったよ。」

(なんと、当時の写真が残っていました。)

 

松下
「なるほど、そういうことだったんですね。結果、店で売れたりとか、何かリアクションはあったんですか?」

野口
「いや、、、僕が店に立ってた頃は、別にそんなに売れてないと思う。(笑)」

松下
「はははは!」

野口
「でもね、これ背負ってると友達が増えるよ。やっぱ目立つからね、色んな人に声かけられて。ヘルツを知るきっかけになってくれていたら、って思います。」

松下
「あー、確かに。でも声かけてもらえるのは純粋に嬉しいですよね。それだけ目を惹く鞄ってことですし。」

(まるで歩く宣伝広告のように各地を回る野口。人混みの中でも、キャメルの大きな革鞄が一際目立ちます。)

 

実際に使ってみて

A-21と野口その2

松下
「ぶっちゃけ、使い心地はどうですか?かなり大きいじゃないですか。」

野口
「僕が使ってた頃は、ストラップに肩当てみたいな幅の太いのが付いていたんだけど、実際に使ってみて、これがすごい痛かったんですよ。それで仕様を変更して、今のストラップになった。」

松下
「へえー!幅が太ければ良いってものでもないんですね。」

(気になって私も背負ってみましたが、意外とフィット感があって背負いやすかったです。重さもさほど気にならなかったのは、やはりこのストラップのおかげかもしれません。)

 

A-21と野口その3

A-21と野口その4

野口
「あとは、前ベルト2本付いてるけど、これ毎回外したりするわけじゃなくて、そのまま前に引っ張って持ってきて、こんな感じで出し入れしてました。」

松下
「え、そうなんですか?!もっと面倒くさい感じだと思ってました、、、すみません。」

(この取り出し方は目からウロコでした。鞄をよく知る作り手ならではの使い方です。)

 

つながった瞬間

A-21と野口その5

野口
「あとね、もう一個エピソードがあって。さっきみたいに僕が一人で販売をしていた頃に、A-21を持って世界を旅したいって話をしてくれていたお客様がいらっしゃったんです。それから何年かなあ、しばらく経って、そのお客様がお店にまた来て下さって。しかも、僕を呼んでくれて、実際に世界一周に行こうと思っているんです、って話をしてくれたんです。」

松下
「なんと!わざわざ会いに来て下さったってことですね。」

野口
「そうそう。それだけでも嬉しいのに、本当にA-21を持って世界一周旅行に出てくれて。」

松下
「えー!」

野口
「わあ!つながった!って、あれは嬉しかったですね。」

松下
「すごい!めちゃめちゃ良い話持ってるじゃないですか!それは本当に嬉しいエピソードですねえ。」

(実際に2回目にご来店された際の写真。長い時を経て、つながった瞬間です。)

 

ウユニ塩湖にて、A-21と川村さん

(実際の世界一周旅行の様子。ちなみに、いただいた写真を下記ブログでご紹介しています。)

⇒世界を旅する革鞄 ~ウユニ塩湖にて~

⇒世界を旅する革鞄 ~マチュ・ピチュにて~

⇒世界を旅する革鞄 ~パタゴニア・パイネ国立公園~

⇒世界を旅する革鞄 ~グランドキャニオン&ザ・ウェーブ~

⇒世界を旅する革鞄 ~アンコールワットにて~

 

皆様に一言

A-21と野口その6

松下
「最後に、A-21に興味を持ってくださっている方に一言もらえたら嬉しいんですが、、、。」

野口
「うーん、、、(真剣に考えて黙る野口、そして、、、)荷物が沢山入りますよ。(笑)あとは、旅感というか、冒険感が味わえます。やっぱりそういう、この鞄だけの魅力があるところがいいですね。」

松下
「なるほど。A-21ならではといったところですね。」

野口
「うん、そうですね。、、、こんな感じで大丈夫?」

松下
「はい!大丈夫です!素敵なお話をありがとうございました!」

時折困った顔を見せながらも、言葉を探しながら真摯に話をしてくれる姿が印象的な野口でした。

 

~ 次回予告 ~

本店作り手 根本×2wayウエストボディバッグ(F-107)をお送りします。
自らがデザインした鞄、生みの親ならではの話が聞ける、、かもしれません。

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