50周年記念イベント「あったらいいな企画」で販売中のファスナートート(AI-2302)。
作ったのは本店作り手の村松です。日々の制作の傍ら、土日には本店1階スペースのサンプルルームに立ち、全国のスタッフが作ったほぼ一点ものたちを販売しています。
話を伺っていくと、今回のファスナートートも元々はサンプルルームに置いてあったサンプルが原型であることが分かりました。そんな話をもう少し深掘りしてみます。
―――あったらいいな企画でファスナートートを作ろうと思ったきっかけは何ですか?
村松(以下村):これは自分で(あったらいいなって)思っていたわけじゃなくて、販売スタッフからファスナートートを希望する声がいくつか上がっているって聞いてさ。
それで社長の野口とも相談していて、「これは村松くんが作ってみない?」という話になってね。
実を言うと、ファスナートート自体は前からサンプルを作っていて、サンプルルームでも何個か作って置いてたりはしたんだよね。だからそれをベースに改良して作ってみようかなって。
―――既に原型があったんですね。
村:そう、今は置いてないんだけど、何度も作ってはサンプルルームに置いて、売れては作って売れては作ってって感じで。
当時作ってたトートは今からするとプロト版になるから、開口部の構造とか色々違う部分はあるよ。
でも、”ファスナー付き・肩かけができる・取っ手が長い”っていう肝の部分はその時から変わらず。
で、本体のベースの型紙はあったので、そこから今回ファスナーの作りを改めて考えて、、、
ファスナーの開けやすさとは
村:前作っていたのはよくあるカタチで、革が一枚。真ん中をくり抜いてファスナーを付ける構造。
でも、それだとファスナーがここまでしか開かない。
▲現物がないので代用品の参考画像にて。プロト版のファスナーはこんな構造でした。
鞄の横幅に対してファスナー幅は数センチほど短くなってしまうので、もどかしさがありました。
村:それを、ファスナーが鞄の端から端まで開けられるようにしたのが、今回のファスナートート。
で、さらにファスナーの下の部分を固定するために、こんな感じにDカンとナスカンを取り付けるっていう新しいつくりを考えました…!
村:まぁ端まで開くようにするだけなら他にも方法はあるけどね。
けど、内側に留めることができるなら、そっちのほうがすっきり見えるでしょ?
っていうのがあって、今回ファスナーの部分にはこだわりました。
肘が通りやすいって大事だよね
村:あとね、この取っ手の長さが絶妙なんですよ!肘がすっと入る!
村:こういうふうに持った時に収まりが、いい…!
―――意外とその長さの取っ手がヘルツに無い気がして、
でもこのくらいの長さがあると男性でも通しやすくって、これは良いと思ってました。
村:あぁそうだね、誰でも使えるんじゃないかなって。
この肩にかけやすさをぜひ体験してください。ちょうどに収まります。
ここね!!ここ!!!
こぼれ話
村:あの~、これ引っかかるの。(→以前につくって配布していたオリジナルエコバッグ)
―――前に配ってたやつですね。あ…それで取っ手の長さを気にかけてたんですね。
(こんなこと言って)ごめんね。買い物する時いつも使ってるけど、ペットボトルとか入れてね、こう肩にかけようとするでしょ。
すると、俺の腕だとここでいつも突っかかっちゃってさ。
だから、取っ手の長さも自分が作るときは使いやすくつくりたいなって思ってさ(笑)
「ヘルツにファスナートートがあったらいいな」のお客様の声は、これまでもよく頂いていました。
確かに、Organの商品では充実したラインナップがあるのですが、ヘルツとなると意外と少ないです。
そんな中「あったらいいな企画」という形でファスナートートを改めて考えるきっかけに。
作るからには、機能としてただファスナーが付いているだけではなく、開けやすく入れやすい。
作り手もこだわった取っ手の長さなど、使う人に寄り添った鞄です。
ぜひ手にとって見ていただけたらと思います。
(インタビュー・文/入間川)