こんにちは、HERZオンラインショップの松下です。
今回は12/11(金)に新発売されたロールトップバッグパック(R-19)について、
生みの親である本店の作り手:西川に、制作秘話や鞄に込めた想いをインタビューしました。
(作り手:西川の様子。普段はヘルツ本店で主に革の裁断(カット)を担当しています。)
松下
「よろしくお願いします!早速ですが、この鞄を最初に作ったのはいつ頃ですか?」
西川
「大体3年ぐらい前かなあ。『旅行に使える迫力のあるリュック』を作りたいと思ったのがきっかけ。
2泊3日くらいの荷物で、アウトドアなイメージで作ったんだけど、最初に作ってからほとんど変わらず、すんなり今の形に出来上がった。」
松下
「凄い!かぶせの革を巻く構造のつくりは難しくなかったですか?工夫したところがあれば教えて頂きたいです!」
西川
「うーん、そうだね。かぶせになる箇所は薄めの革を選んで曲げやすくしたのと、巻いた部分が鞄の幅からはみ出ず上に乗っかるように、マチの革の形を工夫したよ。横から見るとこう、微妙にカーブさせていて、、、。」
松下
「おお、絶妙な曲線!このひと工夫でちょうど良く収まるんですね~面白いです。」
西川
「あと実は、鞄の四角いフォルムを保つために、本体の外縫い部分に芯(厚みのある細長い革)を挟んであるんだよ。本体は柔らかい革だからクタッとなりやすいけど、端にだけ芯を入れて一緒に縫って、全体の形を保ちやすくするように。」
(横から見ると革が重なっているのが分かります。)
松下
「へえー!パッと見ただけでは気が付かなかったです。」
西川
「他にも、かぶせの根元はリュックストラップの付け根でもあるから、厚みのある革を付けて強度を上げてある。これがあるとかぶせも曲げやすくなるし、形も綺麗に出るからね。」
(後面上部に縫い付けられた長方形の革がポイントです。)
松下
「なるほど~。じっくりとよく見ると、いろんな所に鞄の強度や使いやすさを考慮した工夫が施されているんですね。」
キーワードは「減量」
西川
「実は3年くらい前に最初に作った時は、当時の企画でキャンバス生地で作ったんだよね。アウトドアで自分が使うと思うと、どうしても軽くしたかった。(笑)」
(当時の写真が残っていました。現在は販売終了しています。)
松下
「キャンバス!それなら確かに軽くなりそうです。総革にするとどうしても重さが増してしまうと思うんですが、出来上がったこちらの新作鞄、持ってみると意外と重くないですよね?」
西川
「そうだね。俺が実際に使う時に重いのはやっぱり抵抗があったから、いかに減量するかを考えて。マチに取り付けたポケットも比較的薄めの革を選んだりして、少しでも軽くなるように色々と工夫したよ。」
松下
「なるほど。かぶせやポケットといった大事な場所ごとに適した革を使い分けることで、全体的にバランスよく仕上がっているのかなと思います。」
(実際に背負ってみましたが、クッション付きストラップの効果もあり重さがほとんど気になりませんでした。)
松下
「こちらのポケットの話題に触れましたが、手を入れてみるとふわっと余裕があって出し入れしやすいですね!」
西川
「そうだね。革が薄くて柔らかいのと、鞄本体が外縫い構造なのも相まって余裕が出来ているよね。」
松下
「これなら大きめのスマホも入りそう!色々な要素が組み合わさって、減量と使いすさが両立していて凄いです。」
とことん実用的なデザイン!
西川
「あとはね、縦長のフォルムだから、上から荷物を出し入れしやすいようにファスナーを付けた。出し入れするとき困っちゃうかと思って…(笑)。後面にもくり抜きファスナーも付けて、荷物は出し入れしやすいように工夫したよ。」
松下
「この2つのファスナー良いですね!すごく出し入れしやすいです。いろんなパーツがある中で、一つどうしても聞きたかったのですが、この前面下に付いているループは何に使うのでしょうか?」
西川
「これは上のブタ鼻みたいな革(ピッケルホルダー)と一緒に使うループだね。登山で使うピッケルを差して収納するための物だよ。この2つのパーツがアウトドアっぽいなと思って俺も調べた事あるけど、ちゃんと使う用途があるんだよ。」
(写真では上部に極細ベルト(KZ-24)を併用してトレッキングポールを収納しています。)
松下
「そうだったんですね!私が普段使っているリュックにも付いているんですが、何に使うのだろうとずっと思っていました、、、ちゃんと意味があるんですね。」
西川
「前ベルトもね、アウトドアで上の方にシートとか上着を挟めるように、調整穴を沢山あけて長めにしてあるよ。」
松下
「なるほど~。アウトドアらしいデザイン性と道具としての実用性がきちんと両立していて素敵です。長さのある二本ベルト、どことなく大型ギャジット3wayリュック(A-21)を彷彿とさせるような、、?」
西川
「そう?俺はどちらかと言うと、ビジネスキットバッグ・二本ベルトワイドタイプ(P-3)を少しイメージしたかな。この二本の前ベルトとか、カシメ留めとか、、、。」
(こちらが『ビジネスキットバッグ・二本ベルトワイドタイプ(P-3)』革色チョコです。)
松下
「ああー確かに!言われてみればそうですね!本体も外縫いでステッチが見えて、こういう何気ない所でヘルツらしさを感じられて良いなと思います。」
旅行やキャンプなどにおすすめです
西川
「『旅行で使える迫力のあるリュック』っていうテーマだから、やっぱり旅行とかキャンプとか絵になるシーンで使ってほしいね。」
松下
「そうですよね。旅先の写真とかすっごく絵になりそう!この鞄を背負って前を歩いている人がいたら目で追ってしまいそうです。」
西川
「実際、これ持って居酒屋入ったら声かけられたことあるよ。どこかの会社の人で、名刺持って『うちで売りませんか』って、、、。」
松下
「へえー!凄いですね!やはりそれだけ惹かれる魅力がある鞄ということですね~。」
(もちろんヘルツのみでの販売です)」
西川
「この鞄だと、個人的にはブラックとかチョコが好きだけど、グリーンも良いよね。使い込んでエイジングしたら、すごく渋くなって格好良いと思う。」
松下
「確かに!グリーンのエイジングめちゃくちゃ似合いそうです。皆さんにも是非使い込んでいただきたいですね。沢山お話しいただいて有難うございました!すごく楽しかったです、是非またお話聞かせてください!」
西川
「うん。実は他にもビジネス向けのリュックも試作しているから、次はそっちね。」
松下
「えー!嬉しい!有難うございます、楽しみにしています!!」
ということで、始終和やかでとても楽しいインタビューとなりました。
沢山の工夫と想いが込められたロールトップバッグパック、是非沢山の方にその魅力が伝われば幸いです。
ロールトップバッグパック(R-19)は、Organを除くヘルツ全店舗にて販売中です。
オンラインショップでは受注生産販売となりますが、在庫品をご希望の方は、どうぞお気軽に下記までお問い合わせ下さい。
インタビューを終えた西川、早速サンプル鞄の制作を進めていました。
次の新作も楽しみですね!