お届けしたカバンは未完成です、と聞いたら驚かれるでしょうか。 私達がお作りするのは80%まで、残りの20%はお客様に使っていただく事によって仕上げられるのです。カバンは使い手がいなければ、単なる物に過ぎません。手で触れ、使われて初めて生きてきます。
植物タンニンなめしのヌメ革のエイジングは、使い込むと色艶を増し、経年変化と共に自分だけの味が出てきます。使い始めは少し固いと感じるかもしれませんが、使う度にしなやかに手に馴染んでくるのが本革の良い所です。 通常、物が古びるという事は、否定的な表現方法として使われがちですが、本革のカバンは全く逆の意味合いになります。 革製品は使えば使うほど、経年変化と共にその価値を増し、深みのある雰囲気を醸し出してくるのです。
2年、3年とカバンと共に過ごしてみて下さい。きっとあなただけのカバンが完成しているはずです。 そのうちについたキズや汚れも、その鞄が刻んだ「時の年輪」となることでしょう。 愛着の湧く、長く付き合えるパートナー。それがHERZのカバンです。
Organで使用しているイタリアンレザーはHERZの革よりも油分を多く含んでいるので、使っていく中でのエイジングも比較的早いです。HERZの革と同様、色艶が増して、革本来の味の変化をお楽しみ頂けます。
革を育てていく中で、失敗となってしまう要因としては、オイルメンテ不足や水シミ、カビ等が挙げられます。 革は乾燥すると弱くなり、そのままにしておくとひび割れとなり、やがては破れにも発展してしまいます。そうならない為にも、定期的なオイルメンテナンスが必要です。適度にオイル塗布をすることで、革色も濃くなり、表面にツヤが出てくる革ならではのエイジングをお楽しみ頂けます。 また、雨の日のご使用などで水シミがついてしまった場合、乾いた後に水染みが残る場合があります。水染みを防ぐには、革全体を優しく水拭きした後、自然乾燥させて下さい。 湿気によるカビにもご注意が必要です。カビは一度発生すると除去が困難なので、ご使用後は型崩れを防ぐために新聞紙などの詰め物をしていただき、湿気の少ない風通しの良い場所での保管をおすすめします。 ヘルツの革製品は、お使い頂くだけでも味が出てきますが、定期的にお手入れをして頂くことで、より長く、より味わい深いエイジングとなり、自分だけの表情に育っていきます。