<本編に登場している革色は、現在販売しておりません。予めご了承ください。>
いやー!!まいった!!感動しました。
今回の企画(には参加していませんが笑)で最高のサプライズが起きた!!と思い、誕生の瞬間めずらしく大きな声を出してしまいました!!
「いい!これはいい!スバラシイ!カワイイ!!」と。
その日、村松は馬革の裁断をしていて、普段はあまり見ない特殊な形の残り革が出ていました。
それを岡松から渡された西邑は試作の手を止めて、おもしろい形だブレスレットだと言いながら、
結局その革でりんごのマークの時計を作り始めた模様。
私は別の試作をしながらそれを横目で見ていました。
できたできたと大盛り上がりしたその数分後、静かになった工房に
再び
(カタカタカタ…)
西邑のミシンの音。…
遠目で見ると小さな取っ手らしきものを縫っている様子。
(小さな鞄でもつくるのかな…?なんかカワイイけど。)
突然、別のことを始めたのかと思いました。
ですが実はこの取っ手。あのりんごウォッチ形の革からできていたようなんです。
ぬすみ聞きしていて、その話が耳に入った時、「えっ!」と
私は作業の手を止めて西邑の元へ!!
取っ手型のキーホルダー!!
かなりの衝撃を受けました。
この革が…!!あー本当だ。この形、普段の取っ手を作る時のパーツを組み合わせた形にそっくり。
分かったのはそこまでで、私の頭の中の動きがすごいスピードで→→→
いろんなことをつなげて、自分の思考についていけませんでした。
出てきた言葉はなんとシンプル!!
「いい!!これはいい!!最高!!」でした。笑
分析より先に感動がきてしまい、とにかく、興奮する、とある日の23:00でした。いい日だった。
この場面を見られてよかった。
あれ、私何つくってたっけ…あはは、そんな日もいい…。
───後日、冷静になって感動した訳を考えてみました───
まず、悩んでも出てこなかった時(西邑はプチスランプでした)に出てきた、遊びの中からの発想。
そこにいたみんなが笑っていて、単純にとても楽しい雰囲気で生まれたもの
であるということ。
そして、偶然生まれた形から、しかも残り革と思えないほどカワイイものができているということ。
残り革の元々の本体(パスケース)は、折ることで縫いを極力減らした作り。
こういうシンプルな作りで多くの要素を含んだものはパターンをつなげる必要があります。そのため、展開図がかなり複雑な形になる場合があります。
そこで残った、特殊な形の革。
本来これは、この形のままでは使われる道のなかったものかもしれません。
しかし、この活躍の期待すらされていなかった革が、陽の目を浴びることに成功したんです。
いつもいつも、できることではありません。
まさに、きせき。
ヘルツはもともと、厳選した材料・金具でイメージを作ったり、その制限の中から生み出す面白さがある会社です。
限られた形から、新しいものを作る。
そして、何より「楽しい」からいいものが生まれた。
このキーホルダーには、そんなヘルツらしさが詰まっているのです。
以上、楠の、のぞき見感動日記でした。
本人たちの興奮冷めやらぬ中、明日から本店にて、そして来週からオンラインショップにて馬革のアイテムたちが勢揃いします。お楽しみに!
※今回はほぼ再現写真でお送りしました
形が探す はこちらから
※このシリーズは、だいたい年に一度、不定期で行っている現品販売企画です。
形は一部ラインナップを変えながら展開しておりますが、革色はその年のロットでの作りきりというスタイルで、完売次第終了しております。予めご了承ください。